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  • 母性本能の行方(アヴドゥル×ポルナレフ 3部後でアヴドゥル生還ルート)

    category:JOJO二次創作小説

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こんにちは。


今回はアヴドゥル×ポルナレフの3部後のお話です。エジプト大旅行から生還したアヴドゥルとポルナレフがフランスで一緒に住んでます。いーちゃいーちゃしたり、ちょっと寂しくなったり、くっついたり。

アヴドゥルが自分の中の母性本能について頭を悩ませてみたりする感じです。


いつも通り、小説は追記に格納↓

母性本能の行方





以前からあの手この手でアヴドゥルにべたべたと甘えてくるポルナレフだが、ここ最近は胸に顔を埋めて心臓の音を聞くのがお気に入りらしい。男の平らな胸に顔を寄せて何が楽しいのかアヴドゥルにはさっぱり理解できない上に、日々の作業の邪魔になることも多いが、ポルナレフがあまり嬉しそうにすり寄って来るので、いつも根負けして好きなようにさせている。

「・・・今、読書中なのだが」
「知ってる」
「邪魔だ、どけ」
「ひっでえなあ~ かわいい恋人が構ってくれって言ってんだぜ? キスの1つもするのが礼儀だろ」
「どこの礼儀だ」
「ここは愛の国フランスなんでね 郷に入っては郷に従えって言うだろ?」

誠意を見せろ、とうるさいポルナレフのために読書どころではなくなり、アヴドゥルは一旦本を閉じた。
アヴドゥルが本をソファに置くや否や、ポルナレフはソファに寝そべった身体を起こしてアヴドゥルの胸に顔を埋め、背中に腕を回してせっせと心音を聞いている。

「あー なんかいい匂いする・・・」
「さっきシャワーを浴びたからな」
「・・・眠くなってきたかも」
「寝るならベッドへ行け」
「ん~・・・」

聞いているのか、とポルナレフの首のあたりの髪を軽く引っ張ると、もうちょっと、ともごもごした声が胸の辺りから聞こえてきた。

「全く・・・しようのないやつだ」

返事の代わりだろうか、ポルナレフはぐいぐいと頭を擦り寄せて来る。

「・・・そういえば、こんな話を聞いたことがある」

規則正しい心音を聞いていると眠たくなったり、安心したりするのは、身体が母親の胎内にいた時の記憶を呼び覚ますからなのだそうだ。だから子供の寝つきが悪かったり、機嫌が悪いときは、心音を聞かせてやれば大人しくなるのだという。

「へえ~ じゃあつまり、今俺の体はアヴドゥルのこと母親だと思ってるわけ?」

アヴドゥルは自分の胸板に顔を押し付けたまま離れようとしないポルナレフの首を掴んで、その寄りかかってくる身体ごと引っぺがした。

「いててててて 何すんだよ急に!」
「それはこっちの台詞だ! 気味の悪いことを言うな!」

なんで私がお前の母親にならねばならないんだ。
アヴドゥルは不愉快極まりない顔で、もう店仕舞いだと言わんばかりに服の前をしっかりと寄せ合わせる。

「なんだよ アヴドゥルのケチ!」
「ケチで結構」

ぶーぶーと文句を垂れるポルナレフを放り出して、アヴドゥルは開いた本から先ほど挟んだ栞を引き抜いた。
ポルナレフはまだ諦めきれないのか、今度はアヴドゥルの太股に顔を埋めてすんすんと匂いを嗅いでいる。

「アヴドゥルって俺と違う匂いする」

同じ石鹸使ってるのに、とポルナレフが首を傾げた。

「香油つけたのか?」
「朝しかつけない」
「だよなあ」

アヴドゥルは片手で本を支えたまま、空いた手でポルナレフの頭を撫でてやる。

「じゃあこれがアヴドゥルの匂いなんだな」

覚えとこう。
ポルナレフは目一杯息を吸い込んでは吐いてを繰り返した。ポルナレフが息を吐くたびに、アヴドゥルの足はその吐息の熱を篭らせる。アヴドゥルは湿っぽい温風を辛抱強く受け止めた。

「この匂いの香水とか売ってねえかなあ 売ってたら絶対買うのに」
「そんなものを買う物好きはお前ぐらいだろうな」
「でもこれ嗅いでるとすごい安心する・・・ちょっと眠くなるけど」

ポルナレフは顔を上げて、今度はアヴドゥルの太股の上へ仰向けに寝転がる。たまに腹側に頬を寄せたり、かなりきわどい部分へ鼻先を近づけてみたりと勝手に遊んでいた。おかげでアヴドゥルはちっとも読書に集中できない。先ほどから一ページも進まないうちに、アヴドゥルが今日も根負けして本を閉じた。
最初からこいつの思い通りになる運命だったか、とアヴドゥルはひとりごちる。

「もう一つ教えてやろう」
「なに?」

アヴドゥルは割と他人に何かを教えることが好きだ。ポルナレフは大抵の場合、生徒よろしくその説明を聞き、面白がったり不思議がったり、疑問に思ったことをアヴドゥルに質問したりする。
そして逆に、ポルナレフがアヴドゥルの知らないことを教えられるような場面が出来たとき、ポルナレフは顔を輝かせて、それはもう得意げに説明してくれるのだ。
―――とにかく今は、ポルナレフは授業を聞く子供のような顔でアヴドゥルの口が動くのを見つめているが。

「テディベアだ」
「子供がよく持ってる熊のぬいぐるみ?」
「ああ」

あれはもともと、母親の匂いを付けたぬいぐるみを赤ん坊の横に置いて、赤ん坊を安心させるためのものだ。
別に熊を模したものでなくてもいいのだが、とアヴドゥルは付け加えた。匂いがついていることに意味がある。

「俺も欲しい!アヴドゥルの匂いついたやつ!」
「なんだと?」

アヴドゥルは目を剥いた。

「良い年した男が、ぬいぐるみを抱いて寝るのか?」
「ちげーよ! 匂いがついてりゃいいんだろ」

何がいいかなあ。
真剣に考え始めた恋人に、アヴドゥルはついて行けないとかぶりを振った。ポルナレフはアヴドゥルの様子に気づく気配もなく、アヴドゥルの匂いをどこにつけるか首を捻っている。

「タオルとかは?あとブランケットとか・・・」

あ!俺、枕は時々嗅いでるぜ!と聞きもしない妙な性癖まで勝手に喋り出す始末だ。
アヴドゥルは溜息を吐いて、足の上のポルナレフを見下ろす。ポルナレフはソファーに横たわった身体ごと横にして、アヴドゥルの腹に顔を埋めていた。

「俺さ、大分昔に両親亡くしてるから―――そういうの弱いのかも」

ぽつりと呟かれたポルナレフの言葉に、アヴドゥルは心の真ん中がすっと冷たくなる。
不快だったからではない。ポルナレフの中に眠る根深い孤独に触れた気がしたのだ。かつてポルナレフの口から出た、ずっと一人でやってきた、という言葉は嘘ではない。それが家族を失い天涯孤独となったこの男の自負であり、呪縛であり、人生であった。失くしてばかりの人生で、心の底はずっと冷え切っているはずだ。

「私にお前の親の代わりになれと?」
「分かんねえ」

寒いからこんなにも近くに寄りたがるのか、とアヴドゥルはポルナレフの身体に腕を回した。

「さっきは突き飛ばしたくせに」

ポルナレフはくすくすと笑っている。その声に悲しみは少しも滲んでいない。アヴドゥルは救われたような気持で、ポルナレフを抱きしめる腕に力を込めた。

「すまなかった」
「なんで謝るんだ?」

いつもこのぐらい、普通だろ。
ポルナレフはきょとんとした顔で、アヴドゥルを見返した。

アヴドゥルは今、自分の中にある、目の前の存在を無条件に温め続けたいという気持ちをなんと名づけて良いものか決めかねている。
男にも母性本能とやらは存在するのだろうか?アヴドゥルはポルナレフを抱いたまま天井を仰ぐ。ポルナレフを世界中のどんな不幸や災難からも守ってやりたいと思う。母親が我が子へ、人生を掛けた無償の愛を注ぐように。

急に心の中で育ち始めたこの感情が、一体どこへ向かっているのか、アヴドゥルにも分からない。
ただポルナレフの額にキスをして、それがまるで母親から子供へのおやすみの合図の様だと自分で気づくまで、アヴドゥルは大分時間が掛かった。

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テーマ:ジョジョの奇妙な冒険
ジャンル:アニメ・コミック

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海野ヒレ

Author:海野ヒレ
生き物大好き:海野ヒレ

pixiv: http://pixiv.me/umino-hire

twitter: https://twitter.com/umino_hire

身分:腐海の底で汚泥を啜る大学生。これでも医学生よ!

誕生日:8/4 吉田松陰先生と一緒(旧暦)

血液型:AB型

好きなゲーム:一生不動の一位はサガフロンティア2。異論は認める。

好きな漫画:ほんと色々。オリジナルBL、擬人化、アンソロも読みますモグモグおいしいおかわり!百合も逝ける。でも大まかに言うとギャグは大体好きみたいよ。

属性:自然発生型腐女子。小説メイン、イラスト少々にて活動中。拍手、コメントを貰うと喜びにくるいもだえるのだ。

特技:マイナーなジャンル・キャラ・CPばかりに熱烈な愛を送る。時々切ない。

好きなものごっちゃで詳しく:銀魂、サガフロ2、ダンガンロンパ、ギャグマンガ日和、+チック姉さん、ジョジョの奇妙な冒険(3部)、クロノクロス、ジルオール、ドリフターズ、モノノ怪、さらいや五葉、魔法少女まどか☆マギカ、モンハン、討鬼伝、アサシンクリード、フロンティアゲート、牧場物語、聖剣伝説LoM、FFXなど

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