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こんにちは。

今回は吉良×ディアボロになります。新しい趣味を見つけるディアボロと、それを見守る吉良。各部のラスボスたちが暮らす荒木荘に住んでいる吉良とディアボロのお話です。二人は付き合ってます。

荒木荘の構造、住人の関係は妄想入ってますのでご注意を。(6畳一間ですが、その他キッチンと風呂、トイレがついてます・・・)


↓それでは小説は追記に格納


BOTTLIUM



ある休日の昼下がり。
うるさい人外どものいない朝の内にさっさと家事を済ませ、吉良は大人しくネットサーフィンを楽しんでいるディアボロと二人、茶の間のちゃぶ台で向かい合いながら家計簿をつけていた。二人の間に会話は無かったが、かといって別に気まずい空気が流れている訳でもない。珍しく平和な荒木荘の午後である。吉良もこの気怠い静寂に身を任せ、家計簿の整理が付いたら読書でもしようかと考えていた。―――考えていたのだが。その静けさを破り、ディアボロが唐突に吉良へある話を持ちかけて来た。

「吉良、ちょっとネットで気になるものを見つけたんだが・・・」
「小遣いの話なら、受け付けないよ」

この流れなら確実に金の無心をしてくるだろうと踏んで、吉良は続きも聞かずにぴしゃりと撥ね付ける。話の腰を折られたディアボロは些か機嫌を損ねたのか、ちゃぶ台の上のノートパソコンから顔を上げて眉間に皺を寄せた。

「金をくれとは言ってないだろうが」
「『まだ』言ってないの間違いじゃあないかな」
「そうカリカリするな。確かに金は欲しいが・・・今はまだ色々と構想を練っているところだ」

やっぱり『まだ』じゃないか・・・!
吉良は苦々しげに顔を歪めて身を乗り出すと、書き途中の家計簿をディアボロの鼻先に突き付けた。

「・・・ここを見ろ」

吉良の指は先月の出費欄を指し示す。思わず仰け反ったディアボロは文句の一つも言うつもりか口を開きかけたが、有無を言わさない威圧感を吉良から感じ取ったらしく、素早く口を閉じてこくこくと頷いた。ディアボロの爬虫類にも似た特徴的な目が流れるように文字を追う。

「ふむ・・・」

先月の出費欄には、カーズとDIOが破壊した家の修理代、ディアボロの血で汚れた畳の交換費用、全員分の食費、水道代、通信料金、家賃、光熱費などがつらつらと書きこまれており、その文字は枠をはみ出して欄外にまで続いていた。ディアボロの目は更にそのまま下へ滑り、収支と書かれた欄に到達する。そこには雑多な数字が詰め込まれていたが、最下の数字だけは赤いペンで書きこまれていた。数字の前にはご丁寧に「-」の記号が付けられている。

「・・・赤字?」
「そう。よく分かってるじゃあないか」

吉良は刺々しく吐き捨てると、家計簿をディアボロの眼前から引っ込めた。大きく溜息を吐いてページをめくり、今月分の続きを書き込もうと再びペンと電卓を構える。

「今月があと何日あるか分かるかい?」
「あー、と・・・2週間ぐらいか」
「そうだね。正確には私の今月分の給料が振り込まれるまでだから、あと10日ぐらいかな」

吉良はぐしゃりと音を立ててレシートを握りつぶした。それを見たディアボロは吉良の醸し出す不穏な空気に怯えたのか、一瞬だけびくりと身体を跳ねさせる。

「・・・それまであと3000円で暮らさないといけないんだよ。もちろん今日使う分も入れてね。分かるかい?3000円だよ!」

まだ先月の水道代も払ってないのに!
自分で言った途端、頭痛と胃痛がいっぺんに襲ってきて、吉良は呻き声を上げながらちゃぶ台へ突っ伏した。

「実質残り数百円じゃあないか・・・」
「お、おい・・・」
「どうして私は自分の貯金を崩してまで君たちを養わないといけないんだい・・・?どうして自分の家でこんなにも『忍耐』を強いられているんだ・・・?」
「吉良・・・落ち着け・・・」

殆ど涙声になった吉良に動揺したらしいディアボロは、おろおろと腰を浮かせて吉良を宥めている。そんなディアボロがどうにも腹立たしくなって、吉良はますます怒りのままに声を張り上げた。

「この際言わせて貰うがね!!」
「なっ、なんだ」
「本来ならこの家には、君の小遣いどころか食事すら用意する余裕がないんだよ!やろうと思えば君の食費も・・・もっと言えば水道代だって浮かせられるんだ!君の身体はどうせ死んだらリセットされるんだからね!!」

吉良は言い終わると同時にちゃぶ台に拳を叩きつけた。ディアボロは中腰で硬直したまま、じっと吉良を見下ろしている。

「・・・本気で言っているのか?」
「何だって?」

ディアボロはショックを受けたように表情を強張らせていた。吉良が怪訝な顔をしてディアボロを見上げると、ディアボロはその視線から逃れるように顔を背け、恐る恐る声を絞り出す。

「その・・・俺の・・・食事をなしにしたり、風呂やトイレを使うのを・・・禁止にしたり・・・するのか?」
「・・・言い過ぎたね。本当にそんなことをするつもりはないよ」

吉良は一瞬ディアボロに同情と憐みを覚えた。ただでさえディアボロはレクイエムや人外どものせいでまともな扱いを受けていないというのに、これ以上ディアボロから人間的な生活を送る権利を奪ってしまうことは流石の吉良にも躊躇われる。先ほどは少々感情的な言葉をぶつけてしまったが、吉良とて本気で恋人にそこまでの仕打ちをするつもりはなかった。

「吉良」
「なんだい」

ディアボロは畳に膝を突いて吉良の顔を覗き込んでいた。独特の光を持った目に吉良自身が映り込んでいる。吉良はディアボロの目の下にうっすらと隈が出来ていることに気付いた。―――死んだらリセットされるはずの身体に隈などできるのだろうか?吉良はふと首を傾げる。良く見れば心なしか髪もぱさついていて、ディアボロは少しやつれて見えた。吉良と違って一日中この家に居るしかない上に、食うか食われるかの危険に常に曝されている気苦労というのは想像以上に大きいのかもしれない。

「小遣いをただでくれとは言わない。お前がこの家のために日頃苦労して働いているのは知っているからな」
「・・・それはどうも」
「小遣い分の家事は俺がする」
「君が家事を?・・・出来るのかい?」

ドッピオ君にやらせるつもりじゃあないだろうね、というとディアボロは首を振る。

「ちゃんと俺が自分でやる。俺の趣味の為にドッピオに苦労を掛けるつもりはない。心配するな、これでも一人で暮らしてたんだ・・・まあお前ほど手際良くは出来んだろうが」

プライドの高いディアボロがそこまでして手に入れたいものがあるのか?吉良はディアボロの真剣な目を見てしばらく考え込んだあと、溜息を吐いて頷いた。

「・・・分かったよ。ただし、小遣いは来月からだ」

大概自分も恋人には甘いものだな、と吉良は心の中で呟く。

「ありがとう、吉良!」

吉良が承諾した途端、ディアボロは嬉しそうな様子を隠そうともせず吉良へ抱き着いた。ディアボロが素直に礼を言うなどなかなか無いことである。吉良は内心驚きながらもディアボロを引き剥がした。

「ところで君、一体何が欲しいんだい?あまり高い物は買って上げられないよ」
「実は・・・」

肝心のところでディアボロは言い淀むように口を噤んでもじもじしている。ちらちらとパソコンを見ている辺り、どうもそこに答えがあるらしいが、そんなに言いにくいものなのだろうか。

「口では言えないようなものなのか?」
「いや、そういう訳ではないが」
「じゃあ何なんだ」
「それはその・・・」

ええい、まどろっこしい!
煮え切らない態度にイライラし始めた吉良は立ち上がってちゃぶ台を回り込むと、パソコンの前に座って画面を覗き込んだ。

「あっ、おい吉良!勝手に・・・」

慌ててディアボロが吉良を追いかけてくる。やんややんやと何か言っているディアボロを押し退けて表示されたサイトを見ると、そこには見慣れない瓶詰の水草が映っていた。その上には、やはり聞きなれない言葉が大きく掲げられている。

「ボトリウム?」
「あー・・・その・・・」

一度見られてしまって諦めたのか、ディアボロは大人しく吉良の隣に腰を下ろす。

「君、こういうのに興味があるのかい?」

ざっとサイトの説明を読むに、ボトリウムとはいわゆるアクアリウムの簡易版、縮小版のようなものらしい。詳しいことは良く分からないが、少なくともアクアリウムよりは安価で手軽に楽しめる趣味・・・なのだそうだ。

「吉良・・・あの、だな」
「なんだい?」

吉良は読んでいたサイトの文章から目を離してディアボロを振り返る。

「笑わないか?」

何を、と聞きかけてディアボロの表情に吉良は合点がいった。ディアボロは自分が柄にもなくこういったものを欲しがるのを、吉良に馬鹿にされるのではないかと不安がっているのだ。まあ確かにDIO辺りなら馬鹿にもしそうだが、口に出すのも憚られるような恐ろしいものを欲しがっているのではないかと懸念していた吉良としては、ディアボロが随分慎ましい趣味に興味を持ってくれたことに対してむしろ感謝していた。

「笑わないよ。ただ、ちょっと意外だね。君にこういうものを愛でる趣味があるなんて」
「・・・生き物を飼ってみたかったんだ」
「生き物?水草のことかい?」

吉良の言葉にディアボロは首を振る。

「その中に魚を入れて飼えるらしい」
「蓋を閉めているのに?死んだりしないのかな」
「水草が空気を出して水も綺麗にしてるから、その中だけで上手く全部が完結するようになってるんだそうだ」

たまに手入れはしないといけないらしいが、というディアボロはすでに熱心にこの新しい趣味について調べ上げているらしい。そこは元ギャングのボスというべきか、情報収集は徹底して行う性質のようで、すでにパソコンのお気に入りフォルダにはその手の内容のサイトがずらりと並んでいた。

「なるほどね・・・」

それだけで完結する世界、か。
吉良はサイトにある写真の一つをクリックする。小さな瓶の中には、綺麗に植え込まれた水草の間を泳ぐ二匹の魚が見えた。ディアボロがまともに生きていた頃、彼はこういう世界を夢見ていたのだろうか。ディアボロとドッピオだけで完結する、誰にも脅かされない二人だけの世界。

「魚は何匹入れるつもりなんだい?」
「何匹・・・?」

ディアボロは一瞬きょとんとした顔をしたが、しばらく悩むように宙を見つめて眉を寄せる。

「あー・・・やっぱり二匹が丁度良いんじゃあないか」
「そうかい」

やはり二匹か。
吉良は頷きながらディアボロの中にどこか寂しいものを見たような気がして写真を閉じた。綺麗な水草の世界も、これがディアボロの夢をなぞった物であると考えると、どこかうら寂しく切ないものを感じる。吉良はふと先ほどのディアボロの真剣な目を思い出した。落ち着かない生活の中で、自分だけの世界が欲しいという願いがあれほどまでにディアボロを必死にさせていたのだろうか。確かに自分ならいつ襲われるか、あるいは不慮の事故で死んでしまうか怯えながら暮らすなどという状況になったら、それこそ耐えられないだろう。平穏とは程遠い世界だ。そうなると、作り物の小さな世界に平穏を求める気持ちも分からないではない・・・。

「水草はどれを使うんだ?」
「そんなに高いのを買う気はないぞ。ちゃんと手頃なものを選ぶつもりだ」
「折角なんだから気に入ったものにした方がいいだろう。ああでも初心者用を選んだ方が長持ちするのかな」
「あ、ああ・・・そうだな・・・」

吉良は別のサイトを開いて、中に入れる魚やエビのカタログを物色する。

「魚だけじゃなくてエビも入れられるんだね。魚も結構種類が、」
「おい吉良・・・お前、どうしたんだ?」
「ん?」
「急にそんな乗り気になって・・・」

振り返ると、ディアボロは訝しむような顔でこちらを見つめていた。

「いや・・・君がどうしてこの趣味に興味を持ったのか考えてたんだがね」
「それとお前が乗り気になるのと、どう関係があるんだ」
「君は寂しいんじゃあないかと思って」
「寂しい?俺が?」

別にそういう訳ではないが、というディアボロに吉良は首を振る。今の表現は的確ではなかったな、と他に言葉を探したが、上手い言い回しが思いつかない。

「君がドッピオ君との世界を模倣するために、このボトリウムとやらを・・・」
「・・・ちょっと待て、吉良。何か勘違いしてないか?」

一瞬微妙に笑い出しそうな顔をしたディアボロは手を上げて吉良を制止した。

「別に俺はこの中にドッピオと俺だけの世界を作ろうとか・・・そんなことは考えてないぞ?まあ最初はそういうコンセプトでいこうかとも思ったが・・・。とにかく純粋に生き物が飼いたかっただけなんだ」

ギャングだった頃はホテル暮らしでペットも飼えなかったし、こういう趣味も全然できなかったからな、というディアボロはまだ口元に隠しきれない笑いを浮かべている。

「それにしても吉良・・・お前、そんなことを考えるなんて存外ロマンチストなんだな。想像力豊かというか・・・」
「・・・それ以上言ったら小遣いを出さないよ」

吉良が睨みつけると、ディアボロはわざとらしく咳払いをして座り直す。

「まあでも二人だけの世界か・・・」

ディアボロ的にはその発想もありなのか、腕を組んで何やら考え込んでいる。

「なんなら、俺と吉良の世界にするか?」
「はあ?」

今度は吉良がディアボロに怪訝な顔を向けた。

「吉良も一緒に選んでくれたらいいだろう。それに実際、お前の金でもある訳だし・・・二人で作れば良いんじゃあないか?」
「ちゃんと自分で世話するんだろうね」
「失礼なやつだな。俺は意外とマメだぞ」

言いながらディアボロは吉良の手からマウスを奪うと、パソコンの画面に色とりどりの水草を表示させる。

「待て、まずは水槽から決めた方がいいんじゃあないか?」
「それもそうだな。水槽は普通のボトル以外にも、鉢とかグラス状のものも・・・」

ああでもないこうでもない、と二人で話し合う内に時間は飛ぶように過ぎ、気付けばもうとっぷりと日が暮れている。粗方計画が出来上がった頃には、二人で一つの物を作り上げるという初めての経験に、吉良は妙な満足感と達成感さえ覚えていた。ディアボロも同様らしく、水草の配置図案まで描き始めている。

「来月が楽しみだな」
「・・・家事は明日からするんだよ」
「分かっている」

ディアボロは先ほどより随分元気になったように見える。吉良は恋人の幸せそうな様子に、まあ今回ばかりは少しぐらい財布の紐を緩めてもよかろうと微笑んだ。

さて、次の月にようやく完成したボトリウムなのだが、完成直後からカーズとDIOに早速目を付けられ、ディアボロが文字通り毎日命を張ってその傑作を守り抜いている。ちなみに手入れはディアボロが約束した家事と並行してこまめにこなしているらしく、三か月が経過した今でもその美しさが衰えることはない。
荒木荘の小さな世界では、今日も元気に二匹の魚が水草の間を泳ぎ回っている。
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テーマ:ジョジョの奇妙な冒険
ジャンル:アニメ・コミック

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海野ヒレ

Author:海野ヒレ
生き物大好き:海野ヒレ

pixiv: http://pixiv.me/umino-hire

twitter: https://twitter.com/umino_hire

身分:腐海の底で汚泥を啜る大学生。これでも医学生よ!

誕生日:8/4 吉田松陰先生と一緒(旧暦)

血液型:AB型

好きなゲーム:一生不動の一位はサガフロンティア2。異論は認める。

好きな漫画:ほんと色々。オリジナルBL、擬人化、アンソロも読みますモグモグおいしいおかわり!百合も逝ける。でも大まかに言うとギャグは大体好きみたいよ。

属性:自然発生型腐女子。小説メイン、イラスト少々にて活動中。拍手、コメントを貰うと喜びにくるいもだえるのだ。

特技:マイナーなジャンル・キャラ・CPばかりに熱烈な愛を送る。時々切ない。

好きなものごっちゃで詳しく:銀魂、サガフロ2、ダンガンロンパ、ギャグマンガ日和、+チック姉さん、ジョジョの奇妙な冒険(3部)、クロノクロス、ジルオール、ドリフターズ、モノノ怪、さらいや五葉、魔法少女まどか☆マギカ、モンハン、討鬼伝、アサシンクリード、フロンティアゲート、牧場物語、聖剣伝説LoM、FFXなど

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